○幼少~学生時代についてお聞かせ下さい。
小さい時は坊主頭だったので、「マルコメ、一休さん」とか言われていましたね。大阪・堺市のサラリーマン家庭に生まれましたが、近所には町工場が多く、隣の家に住んでいる友達の家の工場によく遊びに行っていました。その工場の社長である、友達のお父さんが財布からポンと分厚い札束を出して机の上に置く姿を見て大変驚いたことを覚えています。また、家の向かいの工場の社長が高級スポーツカーに乗っている姿を見て、「社長って、すごいなあ。僕も将来、社長になりたい」と思っていました。
勉強は割と出来た方だったと思います。しかし、中学2年生の時に学力レベルが高い名古屋に引っ越し、成績が急落。一気に勉強をする気がなくなり、遊んでばかりいました。
○社会人(サラリーマン)時代についてお聞かせ下さい。
大学卒業後、ファミリーレストランチェーンに就職しました。最初は皿洗いから始まり、調理、メニュー開発など、店舗運営のひと通りをマスターし、長く店長も経験しました。その会社は従業員の独立を奨励しており、経営についても学んで30歳の時に晴れて独り立ちさせていただきました。
○経営者としての喜びや苦労についてお聞かせ下さい。
最初の頃はショッピングセンター内のファミレスと、仕入れ業者から買い取った弁当店を運営していました。レストランの経営は順調でしたが、入居していたSC自体が倒産し、預けていた売上金が回収不能に。その後、岡山で定食屋を始めましたが、失敗に終わり、経営の危機に陥りました。その時、唯一、利益を出していたのは、あまり力を注いでいなかった弁当店だったのです。それから一念発起して弁当店に力を入れるようになったのです。
現在の経営の喜びは従業員の成長です。従業員が、お客様に褒められているところを見る時が無茶苦茶うれしいですね。苦労することは人材を揃えることです。また、各店舗に月1度程度しか行けないので指導が徹底できないことでしょうか。それに材料が値上がりしても価格転嫁できないことが苦労しますね。
○今後の社長自身の目標をお聞かせください。(プライベートでも構いません)
家族仲良く、毎年海外旅行に行きたい。また将来は畑で自給自足の生活をするのが夢ですね。
○日本の構造問題として改革・改善したいことがあればお聞かせください。
中小企業は海外に進出するべきです。海外では、これまで日本が築いてきたノウハウを生かせる市場があります。リスクは確かにありますが、勝てる余地はまだまだあります。
また、何でも変化を恐れずやり続けることが大事です。一気に変えることは大変ですが、毎日少しずつ変化していけばいいのです。そうすれば、いつのまにか成長し、どんな状況にも対処できるようになっていると思います。
○御社の仕事の魅力と苦労をお聞かせ下さい。
お弁当店の「お弁当物語」とファミリーレストラン「ハードランド」、和食レストラン「大釜炊めし工房 樹庵」の3業態を展開しています。特にお弁当店は直営・FC含めて14店舗運営しています。お弁当は、少し盛り付けを変えたり一品添えたり、売る場所を変えたりするだけで、売れ行きが驚くほど変わります。その面白さに、ある時、気付きました。レストランや、お弁当店はどうしても仕事がきついイメージがあるので就職は敬遠されますが、やり出したら面白いと言う人は多いですね。
○御社の強みをお聞かせ下さい。
当店では手づくり感にこだわっています。お弁当店では各店舗内にホテル並みの厨房機器を備え、狭いスペースで効率よく調理しています。また、インターネットで注文を受けて宅配も行っています。
○今後、どのような人材が欲しいかをお聞かせ下さい。
人が好き、料理が好き、食べることが好きな人材ですね。また、早いうちに店舗をまかせていくので、自分で考えて行動できる人がほしいと思っています。
○会社としての今後の目標を教えて下さい。
お弁当店は2019年度に200店舗を目指しています(FC店を含む)。FC店は、従業員の独立のためでもあるので、今後拡大していく方針です。
また、将来的には自社農場をつくったり、ITを使って生産性アップを図ったり、流通も手掛けたりと、やりたいこと、やらなければならないことはたくさんあります。当社の経営理念である「食づくりは人づくり」をもとに、食を通じて人を育成すること。人の体をつくる食の安全・安心を提供していきたいと思っています。その一環として、処方箋薬局の隣に「食のサポートセンター」を設け、体によい食材や料理を提供し、食から体の健康づくりを推進していきたいと思います。
○日本を背負う若者へのメッセージ
「できるか、できないか」を考える人が多いですが、人生は「やるか、やらないか」しかありません。ひとつのことをやり続けていれば、必ずできるようになるし、好きになっていきます。続けていれば面白さが出てきます。何事も継続は力なりです。