○幼少~学生時代についてお聞かせ下さい。
実家は佐賀県の嬉野で、お茶農家を営んでいました。両親ともに忙しく、日曜日は私も家の仕事を手伝っていたので、家族で遊びに行くことも少なく、将来は絶対に会社員になろうと思っていたんです。その頃から人の世話を焼くことが好きで、中学・高校では学級委員や生徒会長を率先して引き受けていました。高校時代には女子バレー部のマネージャーもしていたんですよ。
将来の仕事については高校1年生の時に決めました。テレビで人工角膜や人工皮膚をつくる仕事があることを知り、化学の力で人の機能を高める仕事がしたいと思い勉強にも力を注いだのです。
○社会人(サラリーマン)時代についてお聞かせ下さい。
大学院卒業後、大手化学メーカーの研究所で医薬品開発の基礎研究に携わりました。ご存知のように医薬品は商品化までに長い期間を擁し、開発途中で中断することが当たり前の世界です。1000の候補の中からわずか3つしか商品化できないという「997のハズレクジを引き続ける仕事」に虚しさを感じていました。そんな折、雑誌で「アロマセラピーの資格を取って開業しよう」という記事を見て、会社に通いながら通信講座を受講。安定した会社生活をとるか、起業するかで相当悩みましたが、ここで退職してチャレンジしないと何も解決しない、一生後悔すると思い、開業の道を選びました。
○経営者としての喜びや苦労についてお聞かせ下さい。
最初はアロマとネイルのサロンを自宅で開いていましたが、思うように集客できず貯金を切り崩す日々が続いていました。生活のためにと、仲間のネイリストや占い師さんを集めてイベント企画などを始めたところ、「私は、人をまとめるマネージャーのような仕事の方が向いているかも」と思い、人を支援する仕事に専念することになりました。
この仕事の魅力は、自分が考えた企画が多くの人に認められることですね。私の価値を認めて対価をお支払いただくことに感謝しています。そして、社会に必要とされている存在であることを実感しています。苦労する点はキャッシュフローです。イベントなどは企画から実施まで期間が長く、立替え払いが多いのが悩みの種ではありますね。
○今後の社長自身の目標をお聞かせください。(プライベートでも構いません)
10年後も20年後も共に笑いあいながら成長しあえる仲間を作っていく事。
○日本の構造問題として改革・改善したいことがあればお聞かせください。
近頃、依存する人が増えているように思います。弱者支援、最低限のセーフティーネットは必要ですが、努力もせずゴネる人が得をする傾向になっているような気がしてなりません。これでは本当に努力している人、能力のある人は日本を脱出してしまうのではないでしょうか。しっかりと努力する自立した人が増えて、スマートな社会になれば日本は発展していくのではないでしょうか。
○御社の仕事の魅力と苦労をお聞かせ下さい。
女性の起業支援とイベント企画・運営、セミナー・シンポジウム運営の3つの柱を事業にしています。女性の起業支援では、有料会員組織「わくらく」を設立し、起業や経営に役立つ様々な情報を発信しています。イベント企画・運営では、各種イベントに集客効果を高める占いやネイルアートなどのコーナーを開設。セミナー・シンポジウムの運営では、講師のアテンドから集客全般、当日の運営までをトータルに手掛けています。
この仕事の魅力は、会員のみなさんが起業し順調に経営をされている姿を見られることです。ただ、女性は石橋をたたいて渡る人が多いですから、チャンスを前に躊躇される姿を見てしまうと、少し歯がゆい思いをすることもありますね。
○御社の強みをお聞かせ下さい。
女性たちが「自分の好きな仕事で人生をもっと豊かにしてほしい」という願いを込めて、女性に特化した起業支援を行っています。特に1人での起業や2~3名ぐらいの従業員を抱えるスモールビジネスの経営者に向けた支援活動を得意としています。スモールビジネスならではの事業計画策定や営業方法、経営手法など、女性起業家が直面する身近な悩みに対し、解決方法を分かりやすくコンサルティングしていきます。
○今後、どのような人材が欲しいかをお聞かせ下さい。
将来的には3~4名で仕事を分担しながら、事業の幅を広げていくことも考えていますが、小粒でもピリッとした会社になりたいと思っています。当面は従業員数よりも、優秀な外部ブレーンを増やしていくことに重点を置く方針です。
○会社としての今後の目標を教えて下さい。
これまで女性の起業のスタートアップを支援してきましたが、立派に経営をされている人も増えてきました。また、ノウハウも蓄積されてきました。わくらくの仕事を天職と思って下さるような方にスタートアップ支援の仕事をまかせていきたいと考えています。
そして、さらにステージアップを目指す経営者のサポートに力を入れていきたいと考えています。
○日本を背負う若者へのメッセージ
最初から天職に出会えるとは限りません。好きな仕事と思って就職しても、途中で違和感を覚えることもあると思います。また、希望と違った仕事についても、それが却って良い結果につながることもあります。縁があった仕事を前向きに頑張ること。たとえヤリガイを感じられない仕事でも、それが将来的に必ず役に立つと思って取り組んでいると、その経験がどこかで生きてくると思います。そして、「これが天職だったんだ」と思える仕事に必ず出会えると思います。