○幼少~学生時代についてお聞かせ下さい。
1953年、長野県に生まれ、幼少期に父親の仕事の関係で大阪に引っ越してきました。3歳から母親に勧められ、音楽を通じて心豊かな人間の育成を目指す「鈴木メソッド」でバイオリンを習い始めました。中学、高校時代は音楽に没頭し、ブラスバンド部でトロンボーン、マンドリン倶楽部でフルートを演奏。大学は車好きが高じて大阪大学工学部機械学科に入学し、車両技術を学んでいました。その傍ら、2回生からスキー同好会を結成し4年間スキー漬けに。SAJ1級を取得し、ツアーを組んでスキーを指導する学生ベンチャーも運営していました。学生時代の音楽の経験は、社会に出て海外のビジネスマンと仲良くなるきっかけになり、スキーの学生ベンチャーを運営した経験を通じて自ら考え動く習慣が身についたと思います。
○社会人(サラリーマン)時代についてお聞かせ下さい。
1978年にいすゞ自動車に入社し、乗用車設計部に配属。自動車の商品企画・設計・開発だけでなく、品質管理、環境対策なども担当。試作車のテスト走行でアメリカ大陸5000キロを1ヶ月かけて横断したこともあります。また、たくさんの協力会社を指揮しながら共同開発していくノウハウを学びました。その時に、人は理屈や圧力では動かない事を痛感。それがコンサルタントの道を進む、きっかけになりました。
1990年に家内の親の事情で帰阪し、大手コンサルティングファームに経営コンサルタントとして転職。韓国の大手家電メーカを手始めに、製造業中心とした企業の事業再構築、開発改革、収益改善、生産性改善など、多種のコンサルティングテーマを実践。徹夜作業の連続の中、経営改革は最終的に人の意識の変革が最重要テーマであると認識しました。
○経営者としての喜びや苦労についてお聞かせ下さい。
1997年にA&Mコンサルトを設立し代表取締役に就任。評論家ではなく、実践するコンサルタントとして、またクライアントの悩みを我が身と捉えて解決できるコンサルタントを目指しています。2005年にはベンチャー・中小企業支援コンサルティング団体の協同組合関西ブレーインコンソーシアム(BCK)副理事長に就任して経営コンサルタント養成塾を開催し、若手コンサルタントや経営幹部の養成を開始。さらに2006年からは立命館大学 産学協同アントレプレナー教育プログラムゲスト講師として、自動車開発の現状、商品企画事例などについて講義しています。
経営コンサルタントとは、例えると企業の医者であり、クライアントを経営診断し問題抽出から治療、フォローアップまでを一貫して手掛ける能力が必要で、そのような人材育成が最重要課題と考えています。
○今後の社長自身の目標をお聞かせください。(プライベートでも構いません)
得意な専門領域を持った経営コンサルタントの陣容を拡大し、A&Mコンサルトの規模を拡大したいと考えています。
○日本の構造問題として改革・改善したいことがあればお聞かせください。
グローバル化の渦の中で日本の製造業の勢いがなくなっていますが、今こそ日本の特徴あるモノづくりを再度掘り起こし、国内需要を掘り起こすべきであり、そのためには、韓国、中国などアジア圏の企業がマネのできない、価値ある製品開発を強化すべきだと考えます。
○御社の仕事の魅力と苦労をお聞かせ下さい。
仕事柄、クライアントの業績向上の為、経営改革・仕組改革・人事制度改革・人材育成・組織風土改革を実践していますが、経営者と協力しながら改善・改革活動を推進することによって成果があがり、クラアントに評価され、達成感を得られることが何よりの仕事の魅力です。
苦労としては、外部のコンサルタントに対する抵抗感が必ず組織内に発生すること。この抵抗を取り除きながら改善改革をしていくところが難しいところです。
○御社の強みをお聞かせ下さい。
問題の指摘はするが、改善のための実行はできない評論家的コンサルティングではなく、現場主義を貫き、能動的に活動して成果をだすコンサルティングが強みです。当社の専門コンサルタントは、前職が自動車メーカ、家電メーカ、銀行、スポーツジムトレーナーと、さまざまな業種で経験を積んだ者ばかりです。企業内の仕組み、課題を熟知しているので、より実践的なコンサルティングができると自負しています。
○今後、どのような人材が欲しいかをお聞かせ下さい。
まだまだ新卒の人材を一から育成する時間的余裕がないので、企業で実践経験を積み何らかのノウハウを持っている人を望みます。また、自分自身が実現したい夢を持ち、想像力、問題解決能力、行動力を備えたプラス思考の人材を要望します。
○会社の理念と今後の目標を教えて下さい。
経営理念「現場主義を貫く実践コンサルティングにより、クライアント先の発展・継続に貢献する」。
今後は第二創業期として、中小・中堅企業向けのコンサルティング事業と、中小企業向けのビジネスパートナー事業(業務を当社で受託サービス)の両軸の展開で業容を拡大したい。また、雇用を通じて社会貢献することの重要性を鑑み、実践ノウハウを持った人材に働く場を提供していきたいと考えています。
○日本を背負う若者へのメッセージ
日本国内だけではなく、グローバルに渡り合える人を目指してください。そのために英語は必要でしょうが、何も完璧に習得する必要はありません。カタコトでも熱意があれば、十分に意思疎通は成り立つので、とりあえず海外に出かけてみることをおすすめします。
また、他人とは違う自慢できる強みを何かひとつ持つことも大切です。そのために、旅に出る、本を読む、異業種の人と話をすること。そこから新しい知恵が生まれてくるはずです。